*心に残る映画「ザ・エージェント」*
旦那と知り合って1年後に息子が生まれ、8ヶ月後に渡米した。
日本にいる頃の旦那は本当にやさしかった。
しかしアメリカへ帰った後の旦那は少しずつ変っていった。
コンピューターを買い、好きなものをインターネットでオーダーし、
週末になると友達と飲みにいく。
とにかく私と息子はかやの外だ。
初めての海外での生活、友達もいない。
本当にさみしかった。
そして絶えない夫婦喧嘩。
子どもの事やお金の事。
旦那の家族の事でもケンカになった。
旦那は私と会話をすることさえしなくなった。
あきらかに心が離れていると感じた。
そんな時私の唯一の楽しみが
毎日息子を連れて食料品を買いにくことだった。
日本とちがってアメリカでは
1度に1週間、2週間分の食料をどっさり買う。
みんなカートに山盛り状態だ。
でも私はまだ日本的考え。
その日の夕食に使う分だけを買いに出かけていた。
行き付けのスーパーで買ったものを
袋につめてくれるお兄さんがいた。
彼はいつも私と息子に話し掛けてくれた。
友達もいない慣れない海外生活で初めて親しく話し掛けてくれる人。
とてもうれしかった、余計に毎日通うのが楽しくなった。
私がレジに並ぶと
遠くの方で袋つめしていた彼が私を見つけて
走って私のレジのところまできてくれた。
レジの女の人が私に言った。
「彼はあなたの事好きかもしれないわね。」
名前も年もどこに住んでいるかも知れない彼が私に笑顔を取り戻してくれた。
とは逆に私の旦那への気持ちも少しずつ離れていきそうになった。
「日本に帰ろうかな。。。」そんな事を考えるようになった。
ある日旦那がビデオ屋でトムクルーズのビデオを借りてきた。
毎週末出かけていた旦那がめずらしく一緒にビデオを見ようという。
それが「ザ・エージェント」だった。
*トムクルーズ扮するやり手のエージェント
ジェりーが会社をクビになり、
独立したものの、ついてきたのは落ち目のフットボール選手
(キューバグッテイングJr)と会計係りの
ドロシー(レニーゼルウエガー)。
トムクルーズが人生の挫折を乗り越え、
友情と愛情を取り戻していくドラマ*
旦那はソファーで、私は床にすわったままビデオを見始めた。
ジェりーの気持ちがドロシーから離れていくのが、
私たちの生活に重なって見えた。
でもそれでもひたむきにジェりーを支えている
ドロシーがとてもせつなく見えて涙がこぼれそうになった。
そして最後キューバグッテイングJr扮するアメフト選手が
試合後奥さんに電話で
「アイラブユー」を連発するシーン。
たくさんの涙がこぼれおちた。
それを見たジェりーはドロシーの大切さに気がつき、ドロシーの家へ。。。。。
「僕の人生には君が必要だ」と一生懸命説明するジェりー。
それを涙をこらえながら
「何も言わなくていい、あなたが戻ってきてくれただけで、、、、」
と涙するドロシー。
映画を見終わった私は涙が止まらなかった。
何が大切ななのか
どうして今ここに自分がいるのか。
彼を信じてアメリカまで
ついてきたじゃないか。。。。。
何も言わずソファにいる旦那を抱きしめた。
旦那もギュッと抱きしめてくれた。
「ごめん。最近の僕は本当に愚かだった。。。」
実は旦那はこの映画を友達の家で見ていたという。そして
「Minamiとのこのすれ違った心を取り戻す為に一緒に見よう」
と心に決めたのだった。
私たち夫婦の離れた心を救ってくれたこの映画。
一生私たちの心に残るだろう・・・・・・
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